[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2006年(平成18年)東京大学前期-数学(文科)[2]

2024.02.19記

[2] コンピュータの画面に,記号○と×のいずれかを表示させる操作をくり返し行う.このとき,各操作で,直前の記号と同じ記号を続けて表示する確率は,それまでの経過に関係なく,p であるとする.最初に,コンピュータの画面に記号×が表示された.操作をくり返し行い,記号×が最初のものも含めて3個出るよりも前に,記号○が n 個出る確率を \mbox{P}_n とする.ただし,記号○が n 個出た段階で操作は終了する.

(1) \mbox{P}_2p で表せ.

(2) \mbox{P}_3p で表せ.

(3) n\geqq 4 のとき,\mbox{P}_npn で表せ.

理系に部分点かつヒントの(2) を追加したもの.

2021.02.02記

[解答]
例えば ×○○×××○××○○○××(実際には考えない)という状態を (1,2,3,1,2,3,2) のように表現する.

(1) (1,2),(2,2),(1,1,1,1) の3通りを考えて
P_2=p(1-p)+p^2(1-p)+(1-p)^3=(1-p)(2p^2-p+1)

(2) (1,3),(2,3),(1,1,1,2),(1,2,1,1) の4通りを考えて
P_3=p^2(1-p)+p^3(1-p)+p(1-p)^3+p(1-p)^3=p(1-p)(3p^2-3p+2)

(3) (1,n)(2,n)(1,k,1,n-k)1\leqq k\leqq n-1)の n+1 通りを考えて
求める確率は
P_n=p^{n-1}(1-p)+p^{n}(1-p)+(n-1)p^{n-2}(1-p)^3=p^{n-2}(1-p)\{p+p^2+(n-1)(1-p)^2\}

となる.