[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2011年(平成23年)東京大学前期-数学(理科)[5]

2020.10.17記
問題文の意味をゆっくりと溶き解して考える.問題文の意味を良く考えて「平均パターン数」に着目すれば計算する必要がほとんどない(平均パターンに着目した解法はまだ見てないが).

基本は a が1増えるとパターンが1つ増え,基本は b が1増えるとパターンが1つ減るということで,このことから,パターンの個数は a,b についての1次式となり,真ん中が平均という考え方が活きてくるという訳だ.

[解答]

 ab平面で考えると,-q\leqq b\leqq 0\leqq a\leqq p という条件は,軸を含む第4象限における (0,0),(p,0),(0,-q),(p,-q) の長方形の周または内部の領域を表し,この長方形の格子点について考えていることになる.

 w([a,b;c])=p-q-(a+b)ab 平面で直線 a+b=p+(-q)-w([a,b;c]) を表す.

(1) 直線 a+b=p をみたす長方形上の格子点は (p,0) のみであり,0\leqq c\leqq p をみたす cp+1 通りだから w([a,b;c])=p をみたす (p,q) パターンの数は p+1 個である.

また,直線 a+b=-q をみたす長方形上の格子点は (0,-q) のみであり,-q\leqq c\leqq 0 をみたす cq+1 通りだから w([a,b;c])=-q をみたす (p,q) パターンの数は q+1 個である.

(2) 軸を含む第4象限における (0,0),(p,0),(0,-p),(p,-p) の正方形の周または内部の格子点について考えることになる.

ここで,正方形内の格子点について,右に動くとパターンの数が1個増え,下に動くと1個増えるので,直線 a+b=(一定) と正方形の内部の格子点のパターン数は,右下の格子点に移動する毎に2増える等差数列となる.よってパターン数の平均は

(a) 中点が格子点の場合,(a,a-p) 型の格子点のパターン数 p+1

(b) 中点が格子点でない場合,(a-1,a-p) 型と(a,a-p-1) 型と
の格子点のパターン数 p個とp+2個の平均の p+1

となり常に p+1 個である.つまり,直線上にある正方形の周または内部の格子点の数の p+1倍がパターンの個数となる.

(i)  s\lt 0 のとき,直線と正方形は交わらないので0個

(ii)  0\leqq s \leqq p のとき,直線上にある正方形の周または内部の格子点は s+1 個あるので,(s+1)(p+1)

(文系はここまで)

(iii)  p\leqq s \leqq 2p のとき,直線上にある正方形の周または内部の格子点は (2p-s+1 個あるので,(s+1)(2p-s+1)

(vi)  s\gt 2p のとき,直線と正方形は交わらないので0個

となる.

(3) 正方形内の格子点の数は (p+1)^2 個あり,(2) から正方形内の格子点の平均のパターン数は p+1個だから (p+1)^3

ちょっと大胆に解きすぎたかな?