[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2013年(平成25年)東京大学前期-数学(文科)[1]

2022.03.11記

[解答]

\rm P,Qx 座標を p,q とすると,0,p,qx(x-1)(x-3)=tx の3解となるので,p,qx^2-4x+3-t=0 の2解となり,
p+q=4pq=3-t
となる.また,p,q は実数により t\geqq -1 である.

このとき,
g(t)=|\vec{\rm OP}|\cdot |\vec{\rm OQ}|=|pq|(t^2+1)=|3-t|(t^2+1)
となる.h(t)=(t-3)(t^2+1) とおくと g(t)=|h(t)| であるから,g(t) のグラフは h(t) のグラフを利用して描くことができる.

h'(t)=3t^2-6t+1 であり,
h(t)=\dfrac{1}{3}h'(t)(t-1)-\dfrac{4t+8}{3}
であるから,h(t)
\left(\dfrac{3-\sqrt{6}}{3},-\dfrac{36-4\sqrt{6}}{9}\right)\left(\dfrac{3+\sqrt{6}}{3},-\dfrac{36+4\sqrt{6}}{9}\right)
極値をとる3次関数となる.

よって h(t) の増減を利用して得られた g(t) の増減表は

t -1 \cdots \dfrac{3-\sqrt{6}}{3} \cdots \dfrac{3-\sqrt{6}}{3} \cdots 3 \cdots
g'(t) - 0 + 0 - +
g(t) 8 \searrow \dfrac{36-4\sqrt{9}}{3} \nearrow \dfrac{36+4\sqrt{6}}{9} \searrow 0 \nearrow

となる.よって g(t)
t=\dfrac{3-\sqrt{6}}{3} で極小値 \dfrac{36-4\sqrt{6}}{9}
t=\dfrac{3+\sqrt{6}}{3} で極大値 \dfrac{36+4\sqrt{6}}{9}
t=3 で極小値 0
をとる.ちなみに g(t) のグラフは下図のようになる.

f:id:spherical_harmonics:20220311133813p:plain:w350

極値は,関数の定義域の内点(近傍が定義域に含まれる)において定義されるので,端点は極値にははいらないことに注意.