[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2021年(令和3年)東京大学-数学(文科)[1]

[1]

a を正の実数とする.座標平面上の曲線 Cy=ax^3-2x で定める.原点を中心とする半径 1 の円と C の共有点の個数が 6 個であるような a の範囲を求めよ.

2021.03.02記

[解答]

x^2+y^2=1y=ax^3-2x を代入して x^2=X とおくと
f(X):=a^2X^3-4aX^2+5X-1=0
となる.この3次以下の方程式が X\gt 0 の範囲に3つの実数解をもてば良い.

f'(X)=3a^2X^2-8aX+5a\leqq 0 のとき X\geqq 0 で常に正であるから X\gt 0 の範囲に3つの実数解をもつことはない.よって a\lt 0 である.

このとき,増減表は次のようになる.

X (0) \dfrac{1}{a} \dfrac{5}{3a}
f'(X) + 0 - 0 +
f(X) (-1) \nearrow \searrow \nearrow

よって求める条件は
f\Bigl(\dfrac{1}{a}\Bigr)\gt 0 かつ f\Bigl(\dfrac{5}{3a}\Bigr)\gt 0
となり,これを解いて \dfrac{50}{27}\lt a\lt 2