[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2019年(平成31年)東京大学-数学(理科)[6]

2019.02.26記

[6] 複素数 \alpha\beta\gamma\delta および実数 ab が,次の3条件をみたしながら動く.

条件1:\alpha\beta\gamma\delta は相異なる.

条件2:\alpha\beta\gamma\delta は4次方程式 z^4-2z^3-2az+b=0 の解である.

条件3:複素数 \alpha\beta+\gamma\delta の実部は0であり,虚部は0でない.

(1) \alpha\beta\gamma\delta のうち,ちょうど2つが実数であり,残りの2つは互いに共役な複素数であることを示せ.

(2) ba で表せ.

(3) 複素数 \alpha+\beta がとりうる範囲を複素数平面上に図示せよ.

2019.02.26記
共役複素数の積の虚部は0になることがポイント。

[解答]
(1) 4つの複素数がすべて実数とすると条件3の虚部が0でないことに反する.

4つの複素数が2組の共役複素数とする.\alpha\beta\gamma\delta が共役であるとするとやはり \alpha\beta+\gamma\delta の虚部が0でないことに反する.

また,\alpha\gamma\beta\delta が共役であるとすると \alpha\beta\gamma\delta が共役となり,やはり \alpha\beta+\gamma\delta の虚部が0でないことに反する.

\alpha\delta\beta\gamma が共役である場合も同じである.

よって4つの複素数が2組の共役複素数とはならない.

以上から,ちょうど2つが実数で,残りの2つは互いに共役な複素数となる.

(2) ここで \alpha\beta が実数で,\gamma\delta が共役複素数とすると \alpha\beta+\gamma\delta の虚部が0でないことに反し,同様に \alpha\beta が共役複素数で,\gamma\delta が実数としても条件3に反する.

よって \beta\delta が共役複素数として良い.このとき \alpha\beta+\gamma\delta の実部が0であることから2つの実数解は \alpha=k\gamma=-k([tex:kは0でない実数)とおくことができる.つまり4つの解は k, -k, p+qi, p-qi q\neq 0)とおくことができる.

よって解と係数の関係から
2p=2,k^2=p^2+q^2,-2k^2p=2a,-k^2(p^2+q^2)=b
となり
p=1,k^2=1+q^2,a=-k^2,b=-k^4
となる.よって b=-a^2 が成立する.

(3) \alpha+\beta = k+1+qi = x+yiとおくと k^2=1+q^2 から
(x-1)^2=1+y^2
が成立する.ここで4つの複素数が異なることから k\neq 0,q\neq 0,つまり x\neq 1,y\neq 0 だから求める範囲は双曲線
(x-1)^2-y^2=1
から2点 (0,0),(2,0) を除いたものとなる.

\alpha\betaの組み合わせとして、4通り考えられることになるが、どれをとっても本質的に同じである。例えば、k-kは符号が逆という意味しかない(文字が正とはどこにも書いていない)ので、
どちらを実数解として選んでも同じである(その結果、双曲線の2枝それぞれに対応する)。

各種予備校の解答は、結構細かい.