2019.03.01記
解説:1つ目の条件式からには奇数次の項がないことを見抜きたい。実際の入試では役に立たないが、未知係数をなるべく最小限に設定して解くというパズルはなかなか面白い。以下の略解ではの未知係数を1つも設定していない。単にマニアックなだけで、普段の学習ならば良いが、入試本番ではそんなことをしている暇があったら未知係数を設定して素早く手を動かす方が速い。
略解:(i)
(ii)において、
が(0でない)定数とすると、式(i)からが0となり矛盾するので、は定数ではない。
また式(i)の左辺には奇数次の項が含まれないので、右辺からには奇数次の項がない整式、または定数であることがわかる。
が定数ではないことと式(ii)から、が定数とすると、左辺は定数で右辺は4次より大きいので矛盾するので、は定数ではない。
またには奇数次の項がないことから式(ii)の左辺には奇数次の項が含まれないので、右辺からには奇数次の項がない整式であることがわかる。
以上から、は定数でなく奇数次の項をもたない整式である。
(1) の次数をそれぞれとすると、である。
式(i)から、つまりが成立する。
このとき式(ii)でが定める左辺の次数よりも、が定める次数の方が小さいので、右辺の次数はの次数が定め、これがと一致する。
よって、となり、を解いて、となり、は2次式である。
(より強い条件が証明された)
(2) 式(ii)にを代入してが成立する。
式(i)の左辺は、が奇数次の項がない2次式であることより、4次の項と定数項からなる。
これがに等しいので、はの定数倍でなければならず、より
となる。よって式(i)からとなる。
以上からとなることが必要で、これらを式(ii)に代入すると、
と恒等式になっているので、十分条件となっている。
(から式(i)を用いてを求めているので十分性の確認は済んでいる。
式(ii)はを求めるためにしか用いていなかったので、恒等式となることを確認しなければならない)
よって求める答はとなる。
2021.07.09記
(1) で は奇数次の項がない2次式である,と証明した後は (2) で を代入すると
,
つまり
,
となるので、となることが必要、としてから十分性を確かめてもいいな。