2020.03.02記
一辺の長さが ということは,重心と頂点の距離は である.実数係数の3次方程式は少なくとも1つの実数解をもつので,3つの解のうち1つは実数であり,3つの解が正三角形の頂点をなすことから,3つの解を (または)とおくことができる.ここで は実数で であり, は虚数単位とする.
この3つの解の和は だから解と係数の関係により となるので,これらを解とする3次方程式は
となるが,定数項が1となることから は不適で である.
このとき , であるから , となるので,3つの解は, に注意すると, となる.
よって3つの解は に を代入したものとなり, となる.
2024.04.12記
京大理系2020第1問です.正三角形の外接円の半径がaであることなどに着目すれば,ほぼ暗算で答を導けます. pic.twitter.com/2xO9smnqDY
— 大澤裕一 (@HirokazuOHSAWA) 2024年4月11日
この一連のTweet(Post)は結局,上の[解答]の
3つの解を とおくことができるので,これらを解とする3次方程式は
とおける,という部分に対応している.
結局,「3つの が正三角形をなす」とき,複素平面上で回転拡大と平行移動,つまり
()
とおくと (一辺)に移すことができるという訳で,本問の場合は
回転拡大ではなく回転と平行移動によって一辺 の正三角形に移すことができるので,
が
(,)
の形に変形できることが必要十分となる.
ここで とおくと
と
が同じ3次方程式となるので,
,
,
が成立する.よって は実数だから のいずれかで
,
が成立する. より
,,
と求まり,
つまり
が解となる.