2024.04.27記
[3] 次の問いに答えよ.
(1) すべての正の実数 , に対して,不等式 が成り立つことを示せ.ここで は自然対数を表す.
(1) すべての正の実数 , に対して,不等式 が成り立つことを示せ.ここで は自然対数を表す.
(2) , は実数で とする.関数 と は閉区間 で正の値をとる連続関数で,
をみたす.
このとき,不等式
が成り立つことを示せ.
(3) , は実数で とする.閉区間 で正の値をとる連続関数 に対し正の実数 を とする.
不等式
が成り立つことを示せ.
本問のテーマ
2024.04.28記
連続確率変数のギブスの不等式(情報不等式)であり,離散確率変数の倍は
1990年(平成2年)東京工業大学前期数学[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
に出題されている.また
1997年(平成9年)京都府立医科大学-数学[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
2023年(令和5年)京都大学理学部特色入試・数理科学入試-数学[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
も参照のこと.
2024.04.27記
[解答]
(1) すべての正の実数 , に対して,不等式
が成り立つことを示せば良い.
は により上に凸だから
(等号成立は ),
つまり
(等号成立は )
が成立する.よって とすれば
が成り立つ.
(1) すべての正の実数 , に対して,不等式
が成り立つことを示せば良い.
は により上に凸だから
(等号成立は ),
つまり
(等号成立は )
が成立する.よって とすれば
が成り立つ.
(2)
(∵(1))
が成り立つ.
(3) (2)で を定数関数とおくと,
であるから,,つまり であり,よって不等式
が成り立ち,
が成り立つ.
区間 で定義される確率密度関数 に対して微分エントロピーは
で定義される.
として
,
を用いて本問を書き換えると
のようになる.また,
連続2次元データの回帰直線 - 球面倶楽部 零八式 mark II
にあるように関数 の区間 における期待値 を区間 上の一様分布の確率密度関数 に対し,
の期待値を によって定義すると,