[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1941年(昭和16年)東京帝國大學理學部-數學[2]

2022.06.01記

[2] 平面曲線 y=f(x) ガ或直線ト三點ニテ交ハルトキハ一般ニソノ兩端ノ二點ノ中間ニ於テ彎曲點ノ存在スルコトヲ證明セヨ。

2022.06.01記
彎曲点は現在の変曲点である.

問題文の「一般に」は「f(x)微分可能なとき」と考える.
f(x) が連続だが微分不可能な点がある場合,平均値の定理をみたす点が存在しない場合があるので,その場合は除くけど、というつもりで考える.

[解答]
直線の方程式を y=mx+n とし,その3交点の x 座標を x_1,x_2,x_3x_1\lt x_2\lt x_3)とする.
このとき,Lagrange の平均値の定理から
f'(c_1)=f'(c_2)=m
なる x_1\lt c_1\lt x_2\lt c_2\lt x_3 が存在し,また Rolle の定理から
f''(\alpha)=0 なる c_1\lt \alpha\lt c_2
が存在する.ここで x_1\lt c_1\lt \alpha\lt c_2\lt x_3 であるから題意は示された.