[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1946年(昭和21年)東京帝國大學理学部-數學[1]

2022.06.02記

[1] 定楕圓に外切する矩形の對角線の長さは一定なることを證明せよ.

本問のテーマ
楕円の準円

2022.06.04記
楕円の準円の求め方(解決編) - 球面倶楽部 零八式 mark II
をそのまま使う。

[解答]
楕円\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1の接線を\displaystyle(\cos\theta) x+(\sin\theta) y=\frac{1}{r_1}とおくと、楕円の接線の公式から接点は(a^2r_1\cos\theta,b^2r_1\sin\theta)となり、\displaystyle a^2\cos^2\theta+b^2\sin^2\theta=\frac{1}{r_1^2}が成立する。

この接線に直交する接線を\displaystyle  -(\sin\theta) x+(\cos\theta) y=\frac{1}{r_2}とおくと、\displaystyle a^2\sin^2\theta+b^2\cos^2\theta=\frac{1}{r_2^2}が成立する。

矩形の頂点は,これら2接線の交点であり,それは、接線の式の二乗和(束の考え方)もみたすので、
\displaystyle x^2+y^2=\frac{1}{r_1^2}+\frac{1}{r_2^2}=a^2+b^2
もみたす。よって矩形の4頂点は円x^2+y^2=a^2+b^2上にある。

ここで楕円も矩形も点対称な図形であり,その中心は原点であるから,矩形の対角線の長さは 2\sqrt{a^2+b^2} で一定である.