[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1955年(昭和30年)東京大学-数学(解析I)[1]

2022.01.12記

[1] 任意の実数  x,y に対して,不等式
 x^2+4xy+4y^2+10x+ay+b\gt 0
がつねに成り立つために定数  a,b の満足するべき条件を求めよ.

2022.01.12記

[解答]

 x^2+4xy+4y^2+10x+ay+b=(x+2y+5)^2+(a-20)y-(b-25)
と変形できるので,求める条件は
a=20 かつ b\gt 25」である.

[大人の解答]
z=x^2+4xy+4y^2+10x+ay+b とおくと、これは xyz空間で下に凸な図形となる。
極小値は、
\dfrac{\partial z}{\partial x}=2x+4y+10=0\dfrac{\partial z}{\partial y}=4x+8y+a=0
をみたすので、x+2y+5=0 かつ、a=20 のときであり、極小値かつ最小値は b-25 となる.
よって求める条件は「a=20 かつ b\gt 25」である.