[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1957年(昭和32年)東京大学-数学(解析II)[1]

2022.02.13記

[1] 時刻 t における2 点 {\rm P}(x,y),{\rm P}′(x′,y′) の座標が
\left\{\begin{array}{l}x=t \\
y=20t-4t^2\end{array}\right.\quad\left\{\begin{array}{l}x'=5-t
\\ y'=h\end{array}\right.
という関係式によって与えられているとき,この2 点間の距離が最小となる時刻を求めよ.

2022.02.13記
最小となる時刻のみ聞かれていて,最小値は聞かれていない.

[解答]
({\rm PP}')^2=(2t-5)^2+(20t-4t^2-h)^2=(2t-5)^2+\{(2t-5)^{2}+h-25\}^2
だから X=(2t-5)^2\geqq 0)とおくと
({\rm PP}')^2=X^2+(2h-49)X+(h-25)^2=\left\{X+\dfrac{2h-49}{2}\right\}^2+(h-25)^2-\dfrac{(2h-49)^2}{4}
となるので,

(i) h\geqq \dfrac{49}{2} のとき,X=0,つまり t=\dfrac{5}{2} で最小

(ii) h\lt \dfrac{49}{2} のとき,X=\dfrac{49-2h}{2} のとき,つまり
t=\dfrac{5}{2}\pm\sqrt{\dfrac{49-2h}{8}} で最小となる.