[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1958年(昭和33年)東京大学-数学(幾何)[1]

2020.10.25記

[1] 半径 a の円の内部に凸四辺形がある.各頂点はその点を通る辺を延長してできる弦の三等分点になっている.この四辺形はどんな四辺形か,またこの四辺形の面積を求めよ.

2022.02.18記

[解答]
1つの頂点を通る2辺のなす弦の長さをそれぞれ 3x,3y とすると,頂点は弦を 1:2 に分けるので,方羃の定理から 2x^2=2y^2 となるので,x=y となり,1つの頂点を通る2辺のなす弦の長さは等しく,よって凸四辺形の隣り合う辺の長さは等しくなる.つまり,凸四辺形は菱形である.

このとき,円の中心から各辺へ下した垂線の足は各辺の中点を通るので,この菱形は正方形である.つまり凸四辺形は正方形である。

正方形の1辺の長さを 2t とおくと,円の半径は \sqrt{t^2+(3t)^2}=\sqrt{10}t であるから,正方形の1辺の長さは \dfrac{2a}{\sqrt{10}} となり,よって正方形の面積は \dfrac{2a^2}{5} となる.