[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2021年(令和3年)京都大学-数学(理系)[2]

[2]

曲線 y=\dfrac{1}{2}(x^2+1) 上の点 \rm P における接線は x 軸と交わるとし,その交点を \rm Q とおく.線分 \rm PQ の長さを L とするとき,L が取りうる値の最小値を求めよ.

2021.02.14記

[解答]

{\rm P}\Bigl(t,\dfrac{1}{2}(t^2+1)\Bigr) とおくと,y'=x だから \rm P における接線の方程式は y=tx-\dfrac{1-t^2}{2} となる.

これが x 軸と交わる必要十分条件t\neq0 であり,このとき 線分 \rm PQ の傾きが t だから,L={\rm PQ}\rm P\rm Qy 座標の差の \dfrac{\sqrt{t^2+1}}{t} 倍となる.

よって L^2=\dfrac{t^2+1}{t^2}\cdot\Bigl(\dfrac{t^2+1}{2}\Bigr)^2 であり,t^2=s\gt 0 とおくと 4L^2=\dfrac{(s+1)^3}{s}(=f(s)とおく) となる.
 (\log f(s))'=\dfrac{3}{s+1}-\dfrac{1}{s}=\dfrac{2s-1}{s(s+1)}
により,f(s) の増減表は次図

s 0 \dfrac{1}{2}
(\log f(s))' - 0 +
\log f(s) \searrow \nearrow
f(s) \searrow \dfrac{27}{4} \nearrow

よって,L の最小値は \sqrt{\dfrac{1}{4}f\Bigl(\dfrac{1}{2}\Bigr)}=\dfrac{3\sqrt{3}}{4} となる.