[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1966年(昭和41年)東京大学-数学(文科)[3]

2020.09.29記

[3] 3直線 x+y-1=0x-y+1=0 3x+4y−5=0 で囲まれる三角形の内心の座標と,内接円の半径を求めよ.

本問のテーマ
内心の座標

2022.05.02記
内心の座標は点と直線の距離を使う.内心が直線の正領域にあるか負領域にあるかを考えることにより絶対値は外れる.

[解答]
3直線を図示すると(図示略),内心(a,b)
x+y-1\geqq0x-y+1\leqq 03x+4y-5\leqq 0
の領域にあるので,
\dfrac{a+b-1}{\sqrt{2}}=\dfrac{-a+b-1}{\sqrt{2}}=\dfrac{3a+4b-5}{5}
をみたす.前の等式から a=0 であり,よって
\dfrac{b-1}{\sqrt{2}}=\dfrac{4b-5}{5}
から b=\dfrac{5(3-\sqrt{2})}{7} となる.このとき
先程の等式の値は \dfrac{4\sqrt{2}-5}{7} となることから

内心は \left(0,\dfrac{5(3-\sqrt{2})}{7}\right),内接円の半径は \dfrac{4\sqrt{2}-5}{7} となる.