[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2019年(平成31年)東京大学-数学(文科)

2020.10.12記

[1] 座標平面の原点を \mbox{O} とし,\mbox{O}\mbox{A}(1, \, 0)\mbox{B}(1, \, 1)\mbox{C}(0, \, 1) を辺の長さが1の正方形の頂点とする.3点 \mbox{P}(p, \, 0)\mbox{Q}(0, \, q)\mbox{R}(r, \, 1) はそれぞれ辺 \mbox{OA}\mbox{OC}\mbox{BC} 上にあり,3点 \mbox{O}\mbox{P}\mbox{Q}および3点\mbox{P}\mbox{Q}\mbox{R} はどちらも面積が \dfrac{1}{3} の三角形の3頂点であるとする.

(1) qrp で表し,pqr それぞれのとりうる値の範囲を求めよ.

(2) \dfrac{\mbox{CR}}{\mbox{OQ}} の最大値,最小値を求めよ.

[2] \mbox{O} を原点とする座標平面において,点 \mbox{A}(2, \, 2) を通り,線分 \mbox{OA} と垂直な直線を l とする.座標平面上を点 \mbox{P}(p, \, q) が次の2つの条件をみたしながら動く.

条件1:8 \leqq \overrightarrow{\mbox{OA}}\cdot\overrightarrow{\mbox{OP}} \leqq 17

条件2:点 \mbox{O} と直線 l の距離を c とし,点 \mbox{P}(p, \, q) と直線 l の距離を d とするとき cd\geqq{(p-1)}^2

このとき,\mbox{P} が動く領域を D とする.
さらに,x 軸の正の部分と線分 \mbox{OP} のなす角を \theta とする.

(1) D を図示し,その面積を求めよ.

(2) \cos\theta のとりうる値の範囲を求めよ.

[3] 正八角形の頂点を反時計回りに \mbox{A}\mbox{B}\mbox{C}\mbox{D}\mbox{E}\mbox{F}\mbox{G}\mbox{H} とする.また,投げたとき表裏の出る確率がそれぞれ \dfrac{1}{2} のコインがある.点 \mbox{P} が最初に点 \mbox{A} にある.次の操作を10回繰り返す.

操作:コインを投げ,表が出れば点 \mbox{P} を反時計回りに隣接する頂点に移動させ,裏が出れば点 \mbox{P} を時計回りに隣接する頂点に移動させる.

例えば,点 \mbox{P} が点 \mbox{H} にある状態で,投げたコインの表が出れば点 \mbox{A} に移動させ,裏が出れば点 \mbox{G} に移動させる.

以下の事象を考える.

事象S:操作を10回行った後に点 \mbox{P} が点 \mbox{A} にある.

事象T:1回目から10回目の操作によって,点 \mbox{P} は少なくとも1回,点 \mbox{F} に移動する.

(1) 事象Sが起こる確率を求めよ.

(2) 事象Sと事象Tがともに起こる確率を求めよ.

[4] \mbox{O} を原点とする座標平面を考える.不等式 |x|+|y|\leqq 1 が表す領域を D とする.また,点\mbox{P}\mbox{Q} が領域 D を動くとき,\overrightarrow{\mbox{OR}}=\overrightarrow{\mbox{OP}}-\overrightarrow{\mbox{OQ}} をみたす点 \mbox{R} が動く範囲を E とする.

(1) DE をそれぞれ図示せよ.

(2) ab を実数とし,不等式  |x-a|+|y-b|\leqq1 が表す領域を F とする。また,点 \mbox{S}\mbox{T} が領域 F を動くとき,\overrightarrow{\mbox{OU}}=\overrightarrow{\mbox{OS}}-\overrightarrow{\mbox{OT}} をみたす点 \mbox{U} が動く範囲を G とする.GE と一致することを示せ.

2019年(平成31年)東京大学-数学(文科)[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
2019年(平成31年)東京大学-数学(文科)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
2019年(平成31年)東京大学-数学(文科)[3] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
2019年(平成31年)東京大学-数学(文科)[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR