[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1970年(昭和45年)東京大学-数学(文科)[1]

2024.02.24記

[1] 次の文を読んで後の設問に答えよ.

k2 から 10 までの任意の整数とするとき,正の整数はすべて
a_n \times k^n + … + a_1 \times k + a_0
のように書くことができる.ただし,a_0a_1,…,a_n0 から k-1 までの整数とする.したがって,上の式で書かれる数を
a_n … a_1 a_0
のように,数字 a_0a_1,…,a_n の単なる配列で表わすことができる.10進法というのは,k10 にとったときのことであるが,k2 にとればこれは2進法といわれる記数法になる.

設問

(1) 10 進法で 365 と書かれる数を 2 進法で書けばどうなるか.

(2) 2 進法で 101101 と書かれる数と 1011 と書かれる数との積は 2 進法でどのように書かれるか.

(3) 正の整数 x2 進法で書かれているとき,それを右から 3 行ずつ区切っていき,2 進法で各区切りの表わす数 y_0y_1…y_m を考える.もしこれらの和 y_m+… +y_1+y_07 で割りきれるならば,x7 で割りきれることを証明せよ.

2024.02.24記

[解答]
(1) 101101101

(2) 111101111

(3) x=y_0+y_1\cdot8+…+y_m\cdot8^m となるが,
8^k\equiv 1(mod 7)により
 x-(y_0+y_1+…+y_m)=\displaystyle\sum y_k(8^k-1)\equiv 0(mod 7)
となり, y_m+… +y_1+y_07 で割りきれるならば,x7 で割りきれる.