[2] 正数 を与えて,
のように数列 を定めるとき,
のように数列 を定めるとき,
(1) ならば, となることを証明せよ.
(2) ならば, となることを証明せよ.このとき,正数 を より小となるようにとって, までが 以下となったとすれば,個数 について次の不等式が成り立つことを証明せよ.
2021.10.08記
-論法.
のとき,数列 は であるから上に有界で、単調増加数列なので,収束することが知られているが,この証明は高校の範囲外である.証明には-論法を用いるが,本問の答案に少し付け加えるだけで、その証明が完了する.
[解答]
は帰納的に正であり,
…(i)
が成立する.
また, のとき …(ii)であり,特に, のとき …(iii)である.
(1) のとき, だから,(ii) より帰納的に だから (i) より帰納的に
が成立する.
(2) のとき, だから,(iii) より帰納的に が成立する.
次に, かつ のとき,
が で成立するので
となり,よって
となり, から
が成立する.
のとき, は上に有界で単調増加数列だから収束する.
収束値を とすると,
が成立する.このような を見付ければ, の極限値を求めることができる.
今,のとき, をみたす任意の正数 に対し,
をみたす の最大値は 未満であるから,
とすると,
()
が成立する.よって, が成立する.
2021.11.13記
AM-GM 不等式より,
で等号成立は だから、 ならば
としても良いか.
(2) ならば帰納的に だから
()
とおくことができ,このとき,
なので,
が成立するけど,これは使えなかった.