[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1999年(平成11年)東京大学後期-数学[3]

2021.01.13記

{\rm A}_{0}{\rm B}_{0}{\rm C}_{0}{\rm D}_{0} の交点を {\rm O}{\rm OA}_0 から{\rm OD}_0 へ測った角度を \thetar=\dfrac{{\rm OD}_0}{{\rm OA}_0} とするとき,四角形{\rm A}_{n}{\rm B}_{n}{\rm C}_{n}{\rm D}_{n}は {\rm A}_{n-1}{\rm B}_{n-1}{\rm C}_{n-1}{\rm D}_{n-1}{\rm O} 中心に \theta 回転し,r 倍拡大したものとなる.

回転拡大は複素数を用いると簡明である.

複素平面{\rm A}_n,{\rm B_n},{\rm C_n},{\rm D_n},{\rm P} に対応する複素数をそれぞれ a_n,b_n,c_n,d_n,p とおく.また {\rm O} に対応する複素数0 である.

(1) a_0=2+ib_0=8+4ip=4+12i だから,
\dfrac{p}{b_0}=\dfrac{4+12i}{8+4i}=1+i=\sqrt{2}\Bigl(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\Bigr) となるので,
\angle{\rm B}_0{\rm OP}=\dfrac{\pi}{4}

(2) c_0=kp0\leqq k\leqq 1)とおくと,
a_1=d_0=\dfrac{a_0}{b_0}c_0=\dfrac{c_0}{b_0}a_0=k\sqrt{2}\Bigl(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\Bigr)a_0
が成立するので,K_nK_0 を原点中心に \dfrac{\pi}{4} 回転し,k\sqrt{2} 倍拡大したものとなる.よって,K_n=K_0 が成立することと,
k=\dfrac{1}{\sqrt{2}} かつ n=8mmは整数)となることは同値.

kp=2\sqrt{2}+6\sqrt{2} i により,{\rm C}_0(2\sqrt{2},6\sqrt{2} i) である.

(3) 求める条件は a_8=b_0=4a_0 または a_0=b_8=4a_8 だから,
(k\sqrt{2})^8=4,\dfrac{1}{4} となり,k=2^{-1/4},2^{-3/4} となる.

(i) k=2^{-1/4} のとき,{\rm C}_0 (2^{7/4},3\times 2^{7/4}) である.
このとき,(100,50) に対応する複素数 100+50i=50a_0
4^2 a_0 \lt 50 a_0 \lt 4^3 a_0 をみたすことに注意すると,
(100,50)K_{16} の辺 {\rm A}_{16}{\rm B}_{16} 上にある.
{\rm A}_{16}{\rm B}_{16}={\rm D}_{15}{\rm C}_{15} により,
n=15,16

(i) k=2^{-3/4} のとき,{\rm C}_0 (2^{5/4},3\times 2^{5/4}) である.
このとき,(100,50) に対応する複素数 100+50i=50a_0
\Bigl(\dfrac{1}{4}\Bigr)^2 a_0 \gt 50 a_0 \gt \Bigl(\dfrac{1}{4}\Bigr)^3 a_0 をみたすことに注意すると,
(100,50)K_{-16} の辺 {\rm A}_{-16}{\rm B}_{-16} 上にある.
{\rm A}_{-16}{\rm B}_{-16}={\rm D}_{-17}{\rm C}_{-17} により,
n=-17,-16