[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2003年(平成15年)東京大学前期-数学(理科)[2]

2024.02.13記

[2] \mbox{O} を原点とする複素数平面上で 6 を表す点を \mbox{A}7+7i を表す点を \mbox{B} とする.ただし,i虚数単位である.正の実数 t に対し,\dfrac{14(t-3)}{(1-i)t-7} を表す点 \mbox{P} をとる.

(1) \angle\mbox{APB} を求めよ.

(2) 線分 \mbox{OP} の長さが最大になる t を求めよ.

2021.01.19記

[解答]
(1) a=6b=7+7ip=\dfrac{14(t-3)}{(1-i)t-7} とおくと,
\dfrac{b-p}{a-p}=\dfrac{7(i+i)}{2t}=\dfrac{7\sqrt{2}}{2t}\Bigl(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\Bigr)
より \rm \angle APB=\dfrac{\pi}{4}

(2) (1) より,\rm P は円周上にある.その円の \rm A を一端とする直径の他端 {\rm C}(c) は,弧\rm AB の中心角が直角であることに注意すると,線分 \rm AB は円に内接する正方形の一辺となることから, c=b+i(b-a)=8i となり,よって円の中心は \dfrac{a+c}{2}=3+4i となる.
よって,\rm OP は,p=2c=6+8i となれれば,それが最大となる.

実際、t=28 のとき,p=\dfrac{14\times 25}{21-28i}=6+8i となるので,線分 \rm OPt=28 のとき最大となる.