[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2003年(平成15年)東京大学前期-数学(理科)[1]

2024.02.13記

[1] abc を実数とし,a\neq 0 とする.
2次関数 f(x)=ax^2+bx+c が次の条件(A),(B)を満たすとする.

(A) f(-1)=-1f(1)=1

(B) -1\leqq x\leqq 1 を満たすすべての x に対し,f(x) \leqq 3x^2-1

このとき,積分 I=\displaystyle\int_{-1}^{1} (f'(x))^2 \,dx の値のとりうる範囲を求めよ.

2024.02.18記

[解答]
(A) により f(x)=a(x+1)(x-1)+x とおくことができる.

(B) により
a(x^2-1)\geqq 3x^2-x-1-1\leqq x\leqq 1 を満たすすべての x に対し成立するが,x=\pm 1 で成立しているので,-1\lt x\lt 1 を満たすすべての x に対して
a\geqq \dfrac{3x^2-x-1}{x^2-1}=3+\dfrac{2-x}{x^2-1}(∵x^2-1\lt 0
が成立すれば良い.

そこで 2-x=t1\lt t\lt 3)とおいたときの \dfrac{2-x}{x^2-1}=\dfrac{t}{t^2-4t+3} の逆数
g(t)=t+\dfrac{3}{t}-41\lt t\lt 3 における値域が 2\sqrt{3}-4\leqq g(t)\lt 0 であることから
\dfrac{2-x}{x^2-1}=\dfrac{1}{g(t)}\leqq \dfrac{1}{2\sqrt{3}-4}=-\dfrac{\sqrt{3}+2}{2}
となるので,a-3\geqq -\dfrac{\sqrt{3}+2}{2} つまり
a\geqq \dfrac{4-\sqrt{3}}{2}
となる.

以上と f'(x)=2ax+1 とから
I=\displaystyle\int_{-1}^{1} (2ax+1)^2 \,dx=4a^2\displaystyle\int_{-1}^{1} x^2 \,dx+4a\displaystyle\int_{-1}^{1} x \,dx\displaystyle\int_{-1}^{1}  \,dx=\dfrac{8}{3}a^2+2
の値の a\geqq \dfrac{4-\sqrt{3}}{2} における範囲を求めれば良く,それは
I\geqq \dfrac{8}{3}\left(\dfrac{4-\sqrt{3}}{2}\right)^2+2=\dfrac{44-16\sqrt{3}}{3}
である.

https://spherical-harmonics.hateblo.jp/entry/Todai/2003/Bun_1
は本問に条件 f'(1)\leqq 6 をつけ加えたものである.これによって
\dfrac{4-\sqrt{3}}{2}\leqq a\leqq \dfrac{5}{2}
となる.理科なので定数分離で分数関数の値域(といっても微分せずに AM-GM を用いたが)に帰着させたが,文科なので解の配置で処理しておく.