[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2024年(令和6年)東京大学-数学(理科)[1]

2024.02.28記

[1] 座標空間内の点 \mbox{A}(0,-1,1) をとる.xy 平面上の点 \mbox{P} が次の条件(i),(ii),(iii) をすべて満たすとする.

(i) \rm P は原点 \rm O と異なる.

(ii) \angle\mbox{AOP}\geqq \dfrac{2}{3}\pi

(ii) \angle\mbox{OAP}\leqq \dfrac{\pi}{3}

\mbox{P} がとりうる範囲を xy 平面上に図示せよ.

2024.02.25記

[解答]
\mbox{P}(x,y,0) とおくと
(i)より x^2+y^2\neq 0 である.

(ii)より \dfrac{-y}{\sqrt{x^2+y^2}\sqrt{2}}\leqq\cos\dfrac{2\pi}{3}=-\dfrac{1}{2},つまり y\geqq 0 かつ y^2\geqq x^2 となり y\geqq |x| である.

(iii)より \dfrac{y+2}{\sqrt{x^2+(y+1)^2+1}\sqrt{2}}\geqq\cos\dfrac{\pi}{6}=\dfrac{\sqrt{3}}{2},つまり y\geqq -2 かつ x^2+\dfrac{(y-1)^2}{\sqrt{3}^2}\leqq 1 である.

よって,|x|\leqq y\leqq  \sqrt{3(1-x^2)}+1 但し原点を除く,となる.
(図示略)