[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2024年(令和6年)早稲田大学理工学部-数学[2]

2024.02.17記

[2] n自然数とし,数1,2,4を重複を許して n 個並べてできる n 桁の自然数全体を考える.そのうちで3の倍数となるものの個数を a_n,3で割ると1余るものの個数を b_n,3で割ると2余るものの個数を c_n とする.

(1) a_{n+1}b_n,c_n を用いて表せ.同様に,b_{n+1}a_n,c_n を用いて,c_{n+1}a_n,b_n を用いて表せ.

(2) a_{n+2}nc_n を用いて表せ.

(3) a_{n+6}na_n を用いて表せ.

(4) a_{6m+1}m=0,1,2,…)を m を用いて表せ.

2024.02.17記

[解答]
(1) 桁を1つ増やしたときに3で割った余りが1増える場合の数は2倍,2増える場合の数は1倍,変わらない場合の数は0倍ある.

よって
a_{n+1}=b_n+2c_n
b_{n+1}=c_n+2a_n
c_{n+1}=a_n+2b_n
となる.

(2) a_n+b_n+c_n=3^n に注意すると
a_{n+2}=b_{n+1}+2c_{n+1}=4a_n+4b_n+c_n=4\cdot 3^n-3c_n
となる.

(3) (2)と同様に
b_{n+2}=4\cdot 3^n-3a_n
c_{n+2}=4\cdot 3^n-3b_n
が成立するので
a_{n+6}=4\cdot 3^{n+4}-3c_{n+4}
=4\cdot 3^{n+4}-3\cdot 3^{n+2}+9b_{n+2}
=4\cdot 3^{n+4}-4\cdot 3^{n+3}+4\cdot 3^{n+2}-27a_{n}
=28\cdot 3^{n+2}-27a_{n}

(4) a_{6m+1}=A_{m+1}m=0,1,2,…) とおくと(3) より
a_{(6m+1)+6}=28\cdot 3^{(6m+1)+2}-27a_{(6m+1)}
だから,K=27 とおくと
A_{m+2}=(K+1)\cdot K^{2m+1}-KA_{m+1}
となる.これから
A_{m+3}=(K+1)\cdot K^{2m+3}-KA_{m+2}
K^2A_{m+2}=(K+1)\cdot K^{2m+2}-K^3A_{m+1}
が成立し,よって
A_{m+3}=(-K+K^2)A_{m+2}+K^3A_{m+1}
が成立するので,
A_m=p(K^2)^{m}+q(-K)^{m}
の形をしていることがわかる.

ここで a_1=0 から A_0=0であり,A_1=(K+1)\cdot K^{-1}-KA_{0}=(K+1)\cdot K^{-1} であるから
p+q=0K^2p-Kq=(K^2+K)p=(K+1)\cdot K^{-1} から p=\dfrac{1}{K^2}=-q となるので,
A_m=(K^2)^{m-1}-(-K)^{m-1}
となる.よって
a_{6m+1}=A_{m+1}=(K^2)^{m}-(-K)^{m}=3^{6m}-(-3)^{3m}