[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2024年(令和6年)京都大学理学部特色入試・数理科学入試-数学[1]

2024.02.29記

[1] 2 以上の自然数 n に対して,n を割り切る素数の個数を f(n) とする.例えば n=120 のとき,120 を割り切る素数235 なので,f(120)=3 である.不等式 f(n)\geqq\dfrac{\sqrt{n}}{2} を満たす 2 以上の自然数 n をすべて求めよ.

2024.02.29記

[解答]
素数 p_1,p_2,…,p_k を用いて
n=p_1^{n_1}p_2^{n_2}\cdot …\cdot p_k^{n_k}
素因数分解できたとき,
f(n)\geqq\dfrac{\sqrt{n}}{2}

4k^2\geqq p_1^{n_1}p_2^{n_2}\cdot …\cdot p_k^{n_k}
と同値である.

(i) k=1 のとき
4\geqq p_1^{n_1}
をみたすのは (p_1,n_1)=(2,1),(2,2),(3,1) のみだから n=2,3,4 となる.

(ii) k=2 のとき
16\geqq p_1^{n_1}p_2^{n_2}
をみたすのは n=6,10,12,14,15 となる.

(iii) k=3 のとき
36\geqq p_1^{n_1}p_2^{n_2}p_3^{n_3}
をみたすのは 30 となる.

(iv) k=4 のとき
64\geqq p_1^{n_1}p_2^{n_2}p_3^{n_3}p_4^{n_4}
をみたすのは2\cdot 3\cdot 5\cdot 7=210 より存在しない.

以上から,2,3,4,6,10,12,14,15,30 である.