[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1968年(昭和43年)東京大学-数学(理科)

2020.09.29記

[1] 平面上の点 (x,y)
x^2-5x\lt y\lt \dfrac{\pi}{5} \sin\Bigl(\dfrac{\pi x}{5}\Bigr) - \dfrac{3}{5}\sin^2\Bigl(\dfrac{\pi x}{5}\Bigr)
を満たす範囲が,直線 y=\alpha x によって面積の等しい2 つの部分に分けられるように,\alpha の値を定めよ.

[2] 正方形\rm ABCD を底面とし,Vを頂点とする正四角錐(すい)において,底面と斜面のなす二面角が 45^{\circ} のとき,となりあう2 つの斜面のなす二面角を求めよ.

[3] \alpha,\beta は与えられた実数とする.x の2 次式
f(x)=ax^2+bx+c
の係数 a,b,ca+b+c=0 なる関係式を満たしながら動くとき,座標 (f(\alpha),f(\beta)) をもつ点の全体は,平面上のどんな集合になるか.

[4] (x,y,z) を空間の直交座標とし,点 (1,0,0) を通り z 軸に平行な直線を l とする.yz-平面内にあって y=1−z^2 で表わされる曲線の −1\leqq z\leqq 1 なる部分を,直線 l のまわりに回転してできる曲面と,平面 z=1 および z=−1 とによって囲まれた部分の体積を求めよ.

[図]

[5] 整数を係数とする次数3 の多項式 P(x) で,次の条件を満たすものを求めよ.

(1) P(x) のグラフは原点に関して対称である.

(2) P(x)=0 は重根をもたない.

(3) P(x) は極大値も極小値ももたない.

(4) P\Bigl(\dfrac{1}{2}\Bigr) は整数である.

(5)  0\lt P(1)\lt 6 である.

[6] 次の問い(i),(ii),(iii) に答えよ.

(i) \alpha 0\lt \alpha \lt 1 を満たす有理数ならば,区間 0\leqq x\leqq 1 の上で不等式 1+\dfrac{\alpha}{2}x\leqq (1+x)^{\alpha} が成り立つことを示せ.

(ii) 2^{200} のけた数はいくつか.またその最上位の数は何か.その理由を述べよ.

注1.たとえば 2^{10}=1024 のけた数は 4,最上位の数は 1 である。なおこの数が 10^3 に近いことに注意せよ。

注2.\log_{10} 2≒0.3010 であるが,この数値を証明に用いてはならない.

(iii) 0.300\lt  \log_{10} 2 \lt 0.302 であることを示せ.

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