[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1982年(昭和57年)東京大学-数学(理科)[3]

2023.08.23記

[3] xy 平面において,点 \mbox{A} は原点 \mbox{O} を中心とする半径 1 の円周の第1象限にある部分を動き,点 \mbox{B}x 軸上を動く.ただし,線分 \mbox{AB} の長さは 1 であり,線分 \mbox{AB} は両端 \mbox{A}\mbox{B} 以外の点 \mbox{C} で円周と交わるものとする.

(1) \theta=\angle\mbox{AOB} の取りうる値の範囲を求めよ.

(2) \mbox{BC} の長さを \theta で表せ.

(3) 線分 \mbox{OB} の中点を \mbox{M} とするとき,線分 \mbox{CM} の長さの範囲を求めよ.

2020.11.26記

[解答]
(1) B が円の外で円の接線になるまで,つまり \dfrac{\pi}{4}\lt\theta\lt\dfrac{\pi}{3}

(2) \rm BC=1-AC=1-2\cos(\pi-2\theta)=1+2\cos 2\theta=4\cos^2\theta -1

(3) 中線定理から \rm OC^2+CB^2=2(CM^2+OM^2) となり \rm CM^2=8\cos^4\theta-5\cos^2\theta+1 となるので,
x=\cos^2\theta\in \Bigl[\dfrac{1}{4},\dfrac{1}{2}\Bigr] とおくと,
 \rm CM^2=f(x)=8\Bigl(x-\dfrac{5}{16}\Bigr)^2+\dfrac{7}{32} であるから
f\Bigl(\dfrac{5}{16}\Bigr)\leqq {\rm CM}^2\lt f\Bigl(\dfrac{1}{2}\Bigr),つまり \dfrac{\sqrt{14}}{8}\leqq {\rm CM}\lt \dfrac{\sqrt{2}}{2}