[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1994年(平成6年)東京大学前期-数学(文科)

2024.01.10記

[1] xy 平面上で,次の条件を満たす点 (x,y) の範囲を D とする.
\log_2x\leqq2+\log_2y\leqq\log_2x+\log_2(4-2x)

(1) Dxy 平面上に図示せよ.

(2) s\lt 1 のとき,y-sxD 上での最大値 f(s) を求め,関数 t=f(s) のグラフを st 平面上に図示せよ.

[2] xy 平面上の 2\mbox{P}\mbox{Q} に対し,\mbox{P}\mbox{Q}x 軸または y 軸に平行な線分からなる折れ線で結ぶときの経路の長さの最小値を d(\mbox{P},\mbox{Q}) で表す.

(1) 原点 \mbox{O}(0,0) と点 \mbox{A}(1,3) に対し,d(\mbox{O},\mbox{P})=d(\mbox{P},\mbox{A}) を満たす点 \mbox{P}(x,y) の範囲を xy 平面上に図示せよ.

(2) 点 \mbox{A}(1,3) と点 \mbox{B}(-1,1) に対し,d(\mbox{A},\mbox{P})=d(\mbox{P},\mbox{B}) を満たす点 \mbox{P}(x,y) の範囲を xy 平面上に図示せよ.

[3] 0\lt a\leqq1 に対し,行列 A=\begin{pmatrix} 1 & 1\\ 1 & 1+2a \end{pmatrix} を考える.\vec{u}=\begin{pmatrix}\cos\theta\\ \sin\theta \end{pmatrix} のとき,ベクトル A\vec{u} の長さ |A\vec{u}| について,次の不等式が成り立つことを示せ.
(2-\sqrt{2})a \leqq |A\vec{u}| \leqq 2+\sqrt{2}
ただし 0\leqq \theta\leqq 2\pi とする.

[4] 0\lt c\lt 1 とする.3次関数 f(x)=-4x^3+3x^2 に対し,
f_1(x)=f(x)+\displaystyle\int_{0}^{c} f(t)\,dt
f_2(x)=f(x)+\displaystyle\int_{0}^{c} f_1(t)\,dt
とおく.以下,関数 f_3(x)f_4(x),…を順次
f_n(x)=f(x)+\displaystyle\int_{0}^{c} f_{n-1}(t)\,dtn=34,…)
により定める.

(1) 関数 f_n(x) を求めよ.

(2) f_n(x) について,0\lt x\lt 1 のとき,f_n(x)=0 を満たす x がただひとつ存在することを示せ.