[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1996年(平成8年)東京大学前期-数学(文科)[1]

2024.01.14記

[1] a を実数とする.行列 X=\begin{pmatrix} x & -y \\ y & x \end{pmatrix}X^2-2X+aE=O を満たすような実数 xy を求めよ.
ただし,E=\begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1\end{pmatrix}O=\begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & 0\end{pmatrix} とする.

2020.09.25記

[大人の解答]
X複素数 z=x+yi は1対1対応し,このとき z^2-2z+a=0,つまり (z-1)^2=1-a を満たすような実数 xy を求めれば良い.

(i) a\leqq 1 のとき,右辺は正または0であるから,z2次方程式の解は z=1\pm\sqrt{1-a} となり,(x,y)=(1\pm\sqrt{1-a},0)

(ii) a\geqq 1 のとき,右辺は負または0であるから,z2次方程式の解は z=1\pm\sqrt{a-1} i となり,(x,y)=(1,\pm\sqrt{a-1})

となる.

2020.10.02記
X複素数 z=x+yi は1対1対応することから,SO(2) と U(1) は同一視でき,Lie 群として同型である.

2024.01.15記

[解答]
X^2=\begin{pmatrix} x^2-y^2 & -2xy \\ 2xy & x^2-y^2 \end{pmatrix} により
X^2-2X+aE=\begin{pmatrix} x^2-2x-y^2+a & -2(x-1)y \\ 2(x-1)y & x^2-2x-y^2+a \end{pmatrix}=O
つまり

(x-1)^2-y^2=1-a かつ 「x=1 または y=0

を満たすような実数 xy を求めれば良い.これはドモルガンの法則により

(x,y^2)=(1,a-1) または \bigl((x-1)^2,y\bigr)=(1-a,0)

と同値となるので,

(i) a\lt 1 のとき,\bigl((x-1)^2,y\bigr)=(1-a,0) から (x,y)=(1\pm\sqrt{1-a},0)

(ii) a=1 のとき,(x,y^2)=(1,0) または (\bigl((x-1)^2,y\bigr)=(0,0),つまり (x,y)=(1,0)

(iii) a\gt 1 のとき,(x,y^2)=(1,a-1) から (x,y)=(1,\pm\sqrt{a-1})

となる.