[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1952年(昭和28年)東京大学-数学(解析I)[2]

[2] 二次方程式
 ax^2+(1-5a)x+6a=0,\,a\neq 0
の根が二つとも1より大きい実根となるのは実数がどんな範囲にあるときか。

2024.09.23記
X=x-1 とおくと,根が二つとも正の実根という条件(和と積が正で判別式が非負)となり考え易い.

[解答]
X=x-1 とおくと
 aX^2+(1-3a)X+2a+1=0
の2解が正となれば良いので
-\dfrac{1-3a}{a}\gt 0\dfrac{2a+1}{a}\gt 0(1-3a)^2-4a(2a+1)\geqq 0
つまり
a\lt 0,\dfrac{1}{3}\lt a かつ a\lt -\dfrac{1}{2},0\lt a かつ a\leqq 5-2\sqrt{6},5+2\sqrt{6}\leqq a
となる.
-\dfrac{1}{2}\lt 0\lt 5-2\sqrt{6}\lt\dfrac{1}{3} \lt 5+2\sqrt{6}
に注意して整理すると
a\lt -\dfrac{1}{2},5+2\sqrt{6}\leqq a
となる.

[別解]
(x-2)(x-3)=-\dfrac{1}{a}x
であるから,y=x^2-5x+6y=-\dfrac{1}{a}x の2交点(または接点)がともに x\gt 1 の範囲にある条件を求めれば良く,接するのは a=5\pm 2\sqrt{6} で,x=1 で交わるのが a=-\dfrac{1}{2} であることに注意して a の値を変化させながら y=x^2-5x+6y=-\dfrac{1}{a}x の交点を追跡することにより,
a\lt -\dfrac{1}{2},5+2\sqrt{6}\leqq a
となる.

x^2-5x+6=(x-2)(x-3)因数分解できるけど,使わなかった.