[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1975年(昭和50年)東京大学-数学(理科)[5]

2023.08.11記

[5] 図(略)のように球 \mbox{S} に内接する球の列 \mbox{S}_nn=123,…… がある.\mbox{S} の中心 \mbox{O}\mbox{S}_n の中心 \mbox{O}_n はすべて同一平面上にあり,\mbox{O}_{n+1}\mbox{S}_n の表面上にあって,この平面上において \mbox{O}_{n+2}\mbox{O}_n は直線 \mbox{OO}_{n+1} に関して互いに反対側にある.また \mbox{S} の半径は a\mbox{S}_n の半径は \mbox{S}_n の半径は \dfrac{a}{2^n} である.このとき,

(i) \mbox{S}_n\mbox{S}_{n+1} の共通部分の体積 v_n を求めよ.

(ii) m=123,…に対して,\displaystyle V_m=\sum_{n=1}^{m} v_nとおくとき,V=\displaystyle\lim_{m\to\infty}V_mを求めよ.

2023.08.12記

[解答]
(i) 一般に \mbox{O}_n\mbox{O}_{n+1} の両者の中心を通る平面による切り口は次図のようになる.ここで r=\dfrac{a}{2^{n}} である.


よって,共通部分の体積は
\dfrac{2}{3}\pi r^3-\pi\displaystyle\int_0^{r/4} \{(r^2-x^2)-(4rx-x^2)\}dx=\dfrac{2}{3}\pi r^3 -\pi\Bigl[r^2x-2rx^2\Bigr]_0^{r/4}=\dfrac{2}{3}\pi r^3 -\dfrac{1}{8}\pi r^3=\dfrac{13}{24}\pi r^3=\dfrac{13}{24}\pi \dfrac{a^3}{2^{3n}}=\dfrac{13 a^3\pi}{3\cdot 2^{3n+3}}

(ii) 数列 \{v_n\} は,初項 \dfrac{13 a^3\pi}{3\cdot 2^{9}},公比 \dfrac{1}{8}等比数列だから,
V=\dfrac{13 a^3\pi}{3\cdot 2^{9}}\cdot\dfrac{8}{7}=\dfrac{13 a^3\pi}{21\cdot 2^{6}}=\dfrac{13 a^3\pi}{1344}
である.