[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1980年(昭和55年)東京大学-数学(文科)[3]

2023.08.22記

[3] nabcd0 または正の整数であって,
\left\{\begin{array}{l}
a^2+b^2+c^2+d^2=n^2-6 \\ 
a+b+c+d \leqq n \\ 
a \geqq b \geqq c \geqq d 
\end{array}\right.
をみたすものとする.このような数の組(n,\,a,\,b,\,c,\,d)をすべて求めよ.

2020.11.26記

[解答]
(a+b+c+d)^2\leqq n から ab+ac+ad+bc+bd+cd\leqq 3 となる.

d\geqq 1 とすると左辺は6以上となるので d=0.このとき ab+ac+bc\leqq 3 となる.

c\geqq 2 とすると左辺は12以上となるのでc=0,1

(i) c=1 のとき a=b=c=1 となり,n=3

(ii) c=0 のとき ab\leqq 3 となる.

(a) b=0 のとき a は任意となり,n^2=6+a^2 となるが,(n+a)(n-a)=6 の左辺は奇数か4の倍数であるから,このような整数の組 (n,a) は存在しない.

(b) b=1 のとき a\leqq 3 であり,n^2=7+a^2 となる.これをみたす組は (n,a)=(4,3) に限る.

以上から (n,a,b,c,d)=(3,1,1,1,0),(4,3,1,0,0) となる.

河合の72年.(a,b,c,d)=(1,1,1,0,3),(3,1,0,0,4) という重大な誤植.