2020.04.10記
[1] であるとき、
(1) を で表せ。
(2) のとりうる値の範囲を求めよ。
2020.04.10記
(2) は難問。 のとりうる値の範囲を必要十分条件として求めるのは面倒。雑誌大学への数学でも、「 の等号成立は述べていますが、間の値を、本当にすべてとりうるのが、ちょっと心配です。」とある。ちょっとした工夫に気付かないと、必要十分の議論は難しい。
(1) , とおき、後で とする。 とおくと、
であるから、
つまり、 となる。
ここで、 により、 であるから、 となる。
今、 より となる。
(2) 必要十分条件としては甘いが、次のように解いておく。
および、 から であり、
および、 から であるから、
であることが必要である。
この範囲にある任意の に対して、
, が絶対値が1以下の値として一意に決まるので、この値を実現する が少なくとも1つ存在する。
つまり、 の値が一意に決まり、その値を実現する が少なくとも1つ存在する。
そして(1)の結果から、 が成立している。
なお、(2) は(1)の誘導を無視して次のようにやれば、必要十分条件はほぼ自明になる。
(2) , とおくと、, であるから、
, が成立する。
ここで により、
,つまり から が成立する。
よって、 が成立するときの の値域を求めれば良い。
(i) のとき、 より、 の値域は
(ii) のとき、 より、 の値域は
以上から、 となる。
ちなみに、 のグラフは
のようになる。