[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2022年(令和4年)大阪大学-数学(理系)[5]

2022.03.01記

[5] 座標平面において,t を媒介変数として
x=e^t\cos t+e^{\pi}y=e^t\sin t0\leqq t\leqq \pi
で表される曲線を C とする.曲線 Cx 軸で囲まれた部分の面積を求めよ.


2022.03.01記
そのままだと極表示の面積公式やガウスグリーンの定理を使わせにくくするために平行移動したものの、もとに戻せばアホみたいな問題になる。

考えなしに計算せずに式を良くみて考えろ、ということなのだろう。

[解答] 曲線 Cx 軸方向に -e^{\pi} 平行移動することにより,

曲線 D:x=e^t\cos ty=e^t\sin t0\leqq t\leqq \pi) と x 軸で囲まれた部分の面積を求めれば良く,D の極表示が r=e^{\theta} となることから,求める面積は
\displaystyle \int_0^{\pi} \dfrac{1}{2}e^{2\theta}d\theta=\left[\dfrac{1}{4}e^{2\theta}\right]_0^{\pi}=\dfrac{1}{4}(e^{2\pi}-1)
となる.

考えなしにガウスグリーンの定理を使うと
\dfrac{1}{2}\displaystyle\int_0^{\pi} \{ (e^t\cos t+e^{\pi})(e^t\sin t+e^t\cos t) -e^t\sin t(e^t\cos t-e^t\sin t) \}dt=\dfrac{1}{2}\displaystyle\int_0^{\pi} \{ e^{2t}+ (e^{\pi})(e^t\sin t+e^t\cos t) \}dt
=\dfrac{1}{2}\displaystyle\int_0^{\pi} \{ e^{2t}+ (e^{\pi}) \dfrac{dy}{dt}\}dt
=\dfrac{1}{2}\left[\dfrac{1}{2}e^{2t} +e^{\pi} y(t)\right]_0^{\pi}
=\dfrac{1}{4}(e^{2\pi}-1) (∵y(0)=y(\pi)=0)
と少々面倒になる.