[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2023年(令和5年)大阪大学-数学(理系)[5]

2023.11.27記

[5] 1個のさいころn 回投げて,k 回目に出た目をa_k とする.b_n
b_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n {a_1}^{n-k}a_k により定義し,b_n が7の倍数となる確率をp_n とする.

(1)p_1p_2 を求めよ.

(2)数列\{ p_n \} の一般項を求めよ.

2023.11.27記
サイコロの目が1〜6,7が素数となることがポイントとなる絶妙な問題.

[解答]
(2)
n=1 のとき
b_1=a_1{}^0a_1=a_1 は7の倍数にはならないので,p_1=0

n=2 のとき
b_2=a_1{}^1a_1+a_2=a_1^2+a_2 が 7 の倍数となるのは
(a_1,a_2)=(1,6),(2,3),(3,5),(4,5),(5,3),(6,6) の6通りだから
p_1=\dfrac{6}{36}=\dfrac{1}{6}

(2) b_{n+1}=\displaystyle\sum_{k=1}^n {a_1}^{n+1-k}a_k+a_{n+1}=a_1b_n+a_{n+1}
である.

よって,b_n が 7 の倍数のとき,b_{n+1}を7で割った余りは a_{n+1}(1から6)だから b_{n+1} は7の倍数にはならない.

また,b_n が 7 の倍数でないとき,a_1b_n も 7の倍数とはならず,a_1b_n を7で割った余りを r_n(は1〜6)とすると,a_{n+1}=7-r_n の場合だけb_{n+1} が7の倍数となる( a_{n+1} はただ1通り).

よって,
p_{n+1}=\dfrac{1-p_n}{6}
が成立する.ここで p_0=1 から
p_n=\dfrac{1}{7}-\dfrac{1}{7}\left(-\dfrac{1}{6}\right)^{n-1}
となる.