[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1949年(昭和24年)京都大学(新制)-数学

2025.11.22記

【共通】

[1](i) 次の事項のうち正しいものには「正しい」と,誤れるもにはこれを正して右側の空欄に記せ.但し假説はすべて成り立つものとする.

0\lt x\lt\dfrac{\pi}{2} のとき \sin x\gt \tan x           
0\lt x\lt\dfrac{\pi}{2}0\lt y\lt\dfrac{\pi}{2}x\lt y のとき \cos x\gt \cos y
\cos x-\cos y=2\sin\dfrac{x+y}{2}\sin\dfrac{x-y}{2}
a,b を正数とするとき \log a+\log b=\log(a+b)
a,b を何れも 1 と異る正数とするとき \log_a b\cdot \log_b a=1

(ii) 次表の数を小さいものから順に取り,各数の下にその順位番号を記せ.但し \log は常用対数を示す.

\dfrac{\pi}{7} \sin 35^{\circ} \sqrt{3} \tan 50^{\circ} \log \sqrt[5]{97}
順位

[2] 次の一次方程式で表わされる五直線の囲む凸五角形の頂点のうち,第一象限内にあるもの及び第三象限内にあるものの座標を求めよ.
25x+8y+40=0\quad (1)
5x-4y-14=0\quad (2)
x-2y+4=0\quad (3)
14x+45y+63=0\quad (4)
5x+2y-10=0\quad (5)

【解析I】

[3] 方程式 \sqrt{x+1}+\sqrt{x-2}=\sqrt{3x-1} を解け.

[4] x のすべての正数値に対して
f(x)=(3-p)x^2-6x+p+4\gt 0
なるために実数 p の取るべき値の範囲を求める問題に,或る人Aは次に掲げる解法を示した.f(x) の代りに
g(x)=(3-p)x^2+6x+p+4
を取り,同様の問題を解きAの解法と比較して次の問に答えよ.

(i) Aの論証の不十分な点を挙げ,これを補つて完全にせよ.

(ii) g(x) の場合の p の取るべき値の範囲はどうであるか.

(Aの解)f(x) を変形して
f(x)=(3-p)\left\{\left(x-\dfrac{3}{3-p}\right)^2-\dfrac{p^2+p-3}{(3-p)^2}\right\}

先ず x が十分大きな値を取れば上式の括弧内は正となるから 3-p\gt 0 を要する.即ち p\gt 3\quad (1)

次に括弧内が正なるためには,その最小値(x=\dfrac{3}{3-p} のときの値)も正でなければならぬ.従つて p^2+p-3\lt 0

即ち -\dfrac{1}{2}(1+\sqrt{13})\lt p\lt\dfrac{1}{2}(1+\sqrt{13})\quad (2)

然るに (-1+\sqrt{13})/2\lt 3 なる故,求める p の範囲は不等式 (2) で與えられる.

【解析II】

[3] 底辺を除く他の三辺の長さが何れも a なる梯形のうち,面積最大なものを求めよ.

[4] 海面上に浮ぶ小舟を岸壁の頂上からロープで引き寄せる.小舟の速さを v,ロープの引かれる速さを u,ロープの海面とのなす角を \theta とすれば,u の水平方向の成分が v であるから v=u\cos\theta であると論ずれば誤である.uv との但しい関係はどうであるか,また上述の論法でどこが誤つているかを分り易く説明せよ.

【幾何】

[3] 重心,外心,内心の何れか二つが相重(あいかさ)なるような三角形はどんな三角形であるか.理由を附して説明せよ.

[4] 次の問(i)に於ては空白の箇所を適当に補つて定理を結論し,(ii)に於ては推論の誤れる箇所を指摘してそのわけを(i)の定理を用いて明かにせよ.

(i) 三角形 \mbox{ABC} の外接円の弧 \mbox{BC} 上の一点 \mbox{P} から三辺 \mbox{BC}\mbox{CA}\mbox{AB} に下した垂線の足を夫々 \mbox{D}\mbox{E}\mbox{F} とする.\angle\mbox{PDC}\angle\mbox{PEC} は何れも直角であるから,四点 \mbox{P}\mbox{D}\mbox{E}\mbox{C} は同一円周上にあり,従つて \angle\mbox{CDE}=\angle\mbox{EPC}

同様に四点 \mbox{P}\mbox{D}\mbox{B}\mbox{F} は同一円周上にあり,従つて
\angle\mbox{BDF}=\angle\mbox{FPB}

然るに四点 \mbox{A}\mbox{B}\mbox{P}\mbox{C} は同一円周上にあるから \angle\mbox{BPC}\angle\mbox{BAC} の補角である.また \angle\mbox{PEA}\angle\mbox{PFA} は何れも直角であるから \angle\mbox{FPE}\angle\mbox{BAC} の補角である.

\fbox{$\angle\phantom{BBB}=\angle\phantom{BBB}$}
\fbox{$\angle\phantom{BBB}=\angle\phantom{BBB}$}

依つて弧 \mbox{BC} 上の一点 \mbox{P} から三角形 \mbox{ABC}
\fbox{$\phantom{BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB}$}

(ii) 任意の三角形 \mbox{ABC} に於て \angle\mbox{BAC} の二等分線が三角形 \mbox{ABC} の外接円と交わる点を \mbox{P} とし,\mbox{P} から\mbox{AB}\mbox{AC} に下した垂線の足を夫々 \mbox{F}\mbox{E} とすれば

\triangle\mbox{AFP}\equiv\triangle\mbox{AEP}\triangle\mbox{BFP}\equiv\triangle\mbox{CEP}

\mbox{AF}=\mbox{AE}\mbox{FB}=\mbox{EC}

従つて \mbox{AB}=\mbox{AF}+\mbox{FB}=\mbox{AE}+\mbox{EC}=\mbox{AC}

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1949年(昭和24年)京都大学(新制)-数学(解析II) - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1949年(昭和24年)京都大学(新制)-数学(幾何) - [別館]球面倶楽部零八式markIISR