[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2016年(平成28年)京都大学-数学(文系)[5]

2025.04.21記

[5] 実数を係数とする3次式 f(x)=x^3+ax^2+bx+c に対し,次の条件を考える.

(イ)方程式 f(x)=0 の解であるすべての複素数 \alpha に対し, \alpha^3 もまた f(x)=0 の解である.

(ロ)方程式 f(x)=0虚数解を少なくとも1つもつ.

この2つの条件(イ),(ロ)を同時に満たす3次式をすべて求めよ.

2025.04.21記(23:35:44)
2016年(平成28年)京都大学-数学(理系)[6] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
の類題.

[解答]
実数係数の3次方程式は少くとも1つの実数解を持つので(ロ)により f(x)=0 は1つの実数解と1組の共役な虚数解を持つ.この実数解を A虚数解を \alpha,\overline{\alpha}\alpha\neq\overline{\alpha}) とおくと f(x)=(x-A)(x-\alpha)(x-\overline{\alpha})因数分解できる.

(イ)により f(A^3)=0 となり,A^3-\alpha,A^3-\overline{\alpha}虚数であるから A^3-A=0 となり,よってA=-1,0,1 となる.

次に f(\alpha^3)=0f(x) は実数係数なのでこの条件は f(\overline{\alpha}^3)=0 と同値だから,この条件だけ考えれば良い) が成立するので \alpha^3=A,\alpha,\overline{\alpha} のいずれかである.

(i) \alpha^3=\alpha のとき:\alpha=-1,0,1 であるから \alpha虚数であることに反する.

(ii) \alpha^3=\overline{\alpha} のとき:
|\alpha|^3=|\overline{\alpha}| から |\alpha|=0,1 であるが \alpha虚数であるので |\alpha|=1 となり,このとき \alpha^4=1 から \alpha=\pm i となる.いずれの場合も A=-1,0,1 とあわせて f(x)=(x+1)(x^2+1),x(x^2+1),(x-1)(x^2+1) となる.

(iii)(a) \alpha^3=A=0 のとき \alpha虚数であることに反する.

(b) \alpha^3=A=1 のとき \omega=\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2} とおくと \alpha=\omega,\overline{\omega} となる.いずれの場合も f(x)=(x-1)(x-\omega)(x-\overline{\omega})=x^3-1 となる.

(c) \alpha^3=A=-1 のとき \eta=\dfrac{1+\sqrt{3}i}{2} とおくと \alpha=\eta,\overline{\eta} となる.いずれの場合も f(x)=(x+1)(x-\eta)(x-\overline{\eta})=x^3+1 となる.

以上から求める3次式は
f(x)=(x+1)(x^2+1),x(x^2+1),(x-1)(x^2+1)x^3+1x^3-1
の5つとなる.