[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1953年(昭和28年)東京大学-数学(解析II)[1]

[1] 函数 y=Ax+B+\dfrac{C}{x} に関し,次の各条件を求めよ.

(1) そのグラフが原点に関して対称な条件.

(2) そのグラフが x 軸と共有点をもたない条件.

(3) 極大値も極小値もとらない条件.

2024.09.23記
本問では関数「\dfrac{0}{x}x=0 で定義されない」とは考えずに,「\dfrac{0}{x} は(この項がないものと考えて) x=0 でも値が0になる」とは考えることにする.

[解答]
(1) y=Ax+B+\dfrac{C}{x} のグラフを原点に関して対称移動させると -y=-Ax+B-\dfrac{C}{x},つまり y=Ax-B+\dfrac{C}{x} となる.これが y=Ax+B+\dfrac{C}{x} に一致するので B=0 である.

(2) (i) C=0 のとき:
y=Ax+B のグラフが x 軸と共有点をもたない条件は「A=0 かつ B\neq 0」である.

(ii) C\neq 0 のとき:
(a) A=0 のとき:
y=B+\dfrac{C}{x} のグラフが x 軸と共有点をもたない条件は「B=0」である.

(b) A\neq 0 のとき:
y=Ax+B+\dfrac{C}{x} のグラフが x 軸と共有点をもたない条件は
2次方程式 Ax^2+Bx+C=0x=0 以外の実数解をもたないことである.
ここで C\neq 0 よりこの2次方程式x=0 を解にもたないので,
AC-4B^2\lt 0」が求める条件である.

以上をまとめて
A=C=0 かつ B\neq 0
または
A=B=0 かつ C\neq 0
または
A\neq 0 かつ C\neq 0 かつ AC\lt 4B^2

となる.

注)河合塾72年では「\dfrac{0}{x}x=0 で定義されない」と考えて「A\neq 0 かつ B=C=0」も答えに入れている.立場さえ明確にしておけばどちらでも構わない.

(3) (i) C=0 のときは1次関数であるから,極値をもたないので条件をみたす.

(ii) C\neq 0 のとき y'=\dfrac{Ax^2-C}{x^2} であるから,極値をもつ条件は
Ax^2-C=02次方程式となり相異2実解をもつこと,つまり「A\neq 0 かつ AC\gt 0」となる.
よって極値をもたない条件はド・モルガンの法則により
A=0 または AC\leqq 0」となる.

以上をまとめると AC\leqq 0 となる.

[別解]

(3) y'=A-\dfrac{C}{x^2} により,極値をもつ条件は A-\dfrac{C}{x^2}=0 をみたす実数 x が存在してその前後で y' が符号を変化させることであるから,「C\neq 0 かつ \dfrac{A}{C}\gt 0」となる.よって極値をもたない条件はド・モルガンの法則により「C=0 または \dfrac{A}{C}\leqq 0」となるが,これは AC\leqq 0 と同値である.