[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1975年(昭和50年)京都大学-数学(理系)[6]

2026.04.20.17:56:25記

[6] \triangle\mbox{ABC}\angle \mbox{A}={90}^{\circ}\overline{\mbox{AB}}=\overline{\mbox{AC}}=2 とする.頂点 \mbox{A} から斜辺 \mbox{BC} に垂線 \mbox{AH} をひく(\mbox{H} はその交点).半直線 \mbox{AH} 上に中心 \mbox{O} をもつ半径 1 の円を考える.

(i) \triangle\mbox{ABC}3 つの辺が円 \mbox{O} の周とそれぞれ 2 点で交わるのは,\overline{\mbox{AO}}=x がどのような範囲にあるときか.

(ii) \triangle\mbox{ABC} と円 \mbox{O} の内部の共通部分の面積をS とする.x が(i)の範囲にあるとき,S をつぎの関数 F(t) を用いて表わせ.

F(t)=2\displaystyle\int_t^1\sqrt{1-u^2}\,du0\leqq t \leqq 1

(iii) x は(i)の範囲にあるとする.\dfrac{dS}{dx} を求め,S を最大にする x の値を求めよ.

2026.04.21.16:54:33記

[解答]
(i) 円と線分 \mbox{AB}2 点で交わるのは,\mbox{O} と直線 \mbox{AB} の距離 \dfrac{x}{\sqrt{2}} が円の半径 1 よりも小さく,\mbox{A} が円の外にあることから(\mbox{OB}\gt \mbox{HB}=\sqrt{2} より \mbox{B} は必ず円の外にある),1\lt x\lt\sqrt{2} が必要である.このとき対称性から円と線分 \mbox{AC}2 点で交わる.そしてこのとき円 \mbox{O} と線分 \mbox{BC} の距離 \sqrt{2}-x1 未満であるから,円と線分 \mbox{BC}2 点で交わる.以上から求める範囲は 1\lt x\lt\sqrt{2} である.

(ii) F(t) は円の中心との距離が t である直線よりも外側にある円の弓形の面積であるから,S=\pi-2F\left(\dfrac{x}{\sqrt{2}}\right)-F(\sqrt{2}-x) となる.

(iii) F'(t)=-2\sqrt{1-t^2} であるから,
\dfrac{dS}{dx}=2\cdot 2\sqrt{1-\dfrac{x^2}{2}}\cdot\dfrac{1}{\sqrt{2}}+2\cdot \sqrt{1-2+2\sqrt{2}x-x^2}\cdot(-1)=2\sqrt{2-x^2}-2\sqrt{2\sqrt{2}x-x^2-1}
が成立する.よって \dfrac{dS}{dx}=0 となるのは 2-x^2=2\sqrt{2}x-x^2-1,つまり x=\dfrac{3}{2\sqrt{2}} のときであり,この前後で 2\sqrt{2-x^2} は減少,2\sqrt{1-(\sqrt{2}-x)^2} は増加であるから \dfrac{dS}{dx} は正から負へと符号を変化させるので,最大となる.よって S を最大にする x は x=\dfrac{3}{2\sqrt{2}} である.