[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1998年(平成10年)お茶の水女子大学理学(数学)部後期-数学[1]

2025.04.04記

[1] (1) 等式 (x^2-ny^2)(z^2-nt^2)=(xz+nyt)^2-n(xt+yz)^2 を示せ.

(2) x^2-2y^2=-1 の自然数解 (x,y) が無限組であることを示し,x\gt 100 となる解を1組求めよ.

本問のテーマ
ペル(Pell)方程式
ブラーマグプタの恒等式

ペル方程式 - 球面倶楽部 零八式 mark II

2025.04.04.16:30:49記
(1)の恒等式をブラーマグプタの恒等式と呼ぶ.

[解答]
(1) (xz+nyt)^2-n(xt+yz)^2=y^2t^2n^2+\{2xzyt-(xt+yz)^2\}n+x^2z^2=y^2t^2n^2-(x^2t^2+y^2z^2)n+x^2z^2=(ny^2-x^2)(nt^2-z^2)
により成立する.

(2) (1)で n=2z=3t=2 とおくと
(x^2-2y^2)\cdot 1=(3x+4y)^2-2(2x+3y)^2
であるから,(x_1,y_1)=(1,1)(x_{n+1},y_{n+1})=(3x_n+4y_n,2x_n+3y_n)
とおくと,x_1^2-2y_1^2=-1 であるから,
x_{n+1}^2-2y_{n+1}^2=x_n^2-2y_n^2=\cdots=x_1^2-2y_1^2=-1
が成立し,また x_{n+1},y_{n+1} は帰納的に任意の自然数 n に対して正となり,数列 \{x_n\} は単調増加であるから自然数の組 (x_n,y_n) は全ての自然数 n に対して x^2-2y^2=-1 の互いに異なる自然数解を与える.

よって x^2-2y^2=-1 の自然数解 (x,y) が無限組である.また (x_2,y_2)=(7,5)(x_3,y_3)=(41,29)(x_4,y_4)=(239,169) であるから,x\gt 100 となる解の1つは (x,y)=(239,169) である.